女性の病気について

不眠症

寝ても疲れがとれない、とおっしゃる患者さんによく話をうかがいますと、眠りが浅い、眠れない、寝てもすぐ目が覚めてまう、朝早くから目が覚めそれから眠れない、といった四つの不眠の症状に分けられます。医学的にはそれぞれ熟眠障害、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒といいます。多くの場合、それぞれが組み合わさっているようです。また不眠の期間でみますと、数晩だけの一過性不眠、3週間未満の短期不眠、3週間以上の長期不眠と分けられます。一過性のものには一時的なストレスや不安、痛み、それこそ熱帯夜など気候の変化や海外旅行による時差など環境の変化、などがあります。短期不眠もその延長と考えてよいと思います。しかし長期不眠となると、身体的や精神的になにか病気の潜んでいることがよくあります。そこをわかりやすく掘り下げてみましょう。長期不眠の原因は五つに分類できます。

1)身体的な原因

身体のトラブル、たとえば更年期障害で、ほてりやのぼせ、そして汗をかくため、眠りにくかったり、途中で目が覚めてしまう、などがあります。

2)生理的な原因

日常の生活リズムの変化、たとえば月経困難(生理痛)、月経前症候群(PMS)など、女性特有の体調の周期での不眠があります。しかしその頃は逆に眠い、眠い、と常に眠気を訴える方もいます。

3)心理的な原因

不眠が起こりだす頃になにか大きなストレスなどがなかったか、思い出してみましょう。

4)メンタル(精神的)な原因

うつの方の90%をはじめ、不安やゆううつ、無気力、パニックなど気分がさえない方は、やはり早めに医師に相談しましょう。

5)薬理学的な原因

薬の相互作用、副作用が不眠の原因を作ることがあります。長期に飲んでいる薬がある場合はやはり医師に相談してください。

以上が、不眠の原因や特徴です。睡眠とはそもそも脳が脳自身の機能を回復させるために作り出すものです。赤ちゃんやお子さんほど必要で、年齢とともに減っていきます。成人は一日6時間とれば十分と、考えられています。21世紀を迎え、現代人を取り巻く環境はますます慌ただしさを増し、ストレス社会、24時間社会などといわれています。

昔からの、朝起きて夜寝る、というライフスタイルは崩れ、昼夜逆転の生活もまれではありません。生活習慣を整えるだけですぐ治ってしまう方もたくさんいます。