女性の病気について

過換気症候群 hyperventilation syndrome

過呼吸症候群とも呼ばれており、不安感など情動の変化とともに発作的に起こることが多いといわれている症候群です。男性よりも女性に多く発症するといわれていますが、最近では男性にもみられるようになり、性別よりも、むしろその人の不安の感じやすさ、怒りの抑圧や感情の高揚などの生じやすさが指摘されています。

症状としては、発作的な呼吸困難感から過呼吸になり、胸痛、動悸、めまい、しびれ感などがみられ、全身のしびれや痙攣、あるいは失神してしまうこともあります。

本人にとっては突然、呼吸が速くなってしまい、空気を吸えない感じがして胸も苦しくなります。手足や唇のしびれ、身体の震えなども起きてきます。そのため、不安や恐怖感が強くなって、さらに深くて速い呼吸をしようとします。このように過呼吸を止められないという悪循環になってしまうと、「このまま死んでしまうのではないか」という生命への不安や恐怖感さえも生じてきて、パニックに陥ることがあります。

過換気症候群の場合、短時間に呼吸をしすぎてしまうために酸素が過剰となり、一方で、体内で作られる二酸化炭素の量よりも肺から吐き出される二酸化炭素量の方が多くなってしまうので血中の二酸化炭素分圧(Paco2)が低下し、血液pHが上昇した状態になっています。

そのため、対応としては吸う息(吸気)の二酸化炭素濃度を高くする必要がありますので、紙袋で鼻と口を覆って吐いた息(呼気)を吸う方法が効果的です。紙袋がない場合には両手で覆って、その中で呼吸が楽になるまで繰り返えすとよいでしょう。
また過呼吸がおさまった後も、しばらく手足がこわばったり、しびれた感じが残ることがありますので、歩いたり、移動する際にはくれぐれも注意してください。